お子さまへの歯磨きのコツ
仕上げ磨きの姿勢
口の中が見やすく、安心して歯磨きをしやすい姿勢として、
右図のようにひざの上か、保護者が子どもの後ろに回り頭をお腹や脇で固定して歯磨きをしてあげるのがおすすめです。
(子どもが上手に立っていられないうちは、保護者のひざの上に寝かせることをおすすめします。)
歯磨き粉を使い始めたら、唾液や歯磨き粉を飲みこみにくくするために、子どもを立たせて歯磨きしましょう。
仕上げ磨きを始める時期は?
乳歯が生えてくる8か月頃が、歯磨きスタートのタイミングです。始めの時期は、まずは子供にハブラシを慣れることが大事です。奥歯が生えてくる1歳6か月頃までには、歯磨き習慣ができることを目指しましょう。
楽しく習慣づけるコツ
- ①前歯のコツ
- 上くちびると歯ぐき(歯肉)をつないでいる「スジ」の部分にハブラシが当たると子どもが痛がり、歯磨きを嫌がる原因になってしまいます。上くちびるを持ち上げて、歯と歯ぐき(歯肉)の境目が見えるようにし、ハブラシを持っていない方の人差し指の腹で上くちびると歯ぐき(歯肉)をつないでいる「スジ」の部分を隠して、仕上げ磨きをしてあげましょう。
- ②奥歯のコツ
- 奥歯はハブラシを奥から前に動かしましょう。乳歯は奥歯が2本なので手早くできます。特に、奥歯のかみ合わせは溝に歯垢(プラーク)が残りやすい場所です。
- ③嫌がられないコツ
- 歯磨きをスタートしたら、日ごろから子どもの口元を触りましょう。口元を触られることに慣れていると嫌がりにくくなります。歯磨き中に話しかけたり、数を数えながら歯磨きするのがおすすめです。歯磨きの終わりがわかると子どもも頑張れます。また、時間がかかると子どもが飽きてしまうので、短時間で手早く丁寧にやりましょう。仕上げ磨きが終わったらほめてあげることも大切です。力が強かったりして、ハブラシが歯ぐき(歯肉)に当たると嫌がるので、子どもに不快感を与えないようにすることも重要です。また、子どもが眠くなる前や、機嫌が悪い時は、清潔なガーゼでそっと拭いてあげましょう。
乳歯からのムシ歯予防
乳歯が生えはじめたら、赤ちゃんのお口にムシ歯菌を感染させないよう、定着させないよう十分に気をつけましょう。ミルクにはムシ歯の原因になる糖が多く含まれています。寝ている間は唾液の分泌量が減るため、どうしてもおっぱいやミルクがお口の中に残りがちなので、寝ている間にそっと歯を拭いてあげると、ムシ歯菌対策にも繋がります。
フッ素塗布で虫歯予防
お子さんのお口の中の汚れを歯磨きだけですべて落とすことは、専門的な知識や時間がかかり、非常に難しいとされています。そこで、当医院ではフッ素塗布を、お勧めしています。お口の状態にもよりますが、1年に2~4回の塗布を継続することで、20~40%程度の虫歯の予防効果があるとされています。
フッ素塗布の効果
虫歯になる原因に対して、フッ素塗布は以下のような働きがあり、「歯」と「お口の中の細菌」に作用し、虫歯になりにくくする効果があるとされています。
- 唾液中に含まれるミネラルの沈着を促進し、再石灰化を助ける
- 歯の質を強化し、酸から歯を溶けにくくする
- 酸の生成を抑える
乳幼児・子どもへの効果
生えたての乳歯や、生えたての永久歯は、歯の質が弱く虫歯になりやすいため、フッ素を塗ると予防効果を大きく期待できるとされています。
成人への効果
歯周病や部分入れ歯の使用によって、顎の骨や歯茎が痩せて(吸収して)しまい、普段なら歯茎で覆われているはずの歯の内部のセメント質や象牙質が露出してくることがあります。セメント質や象牙質はエナメル質(歯茎から上の歯の表面部分)よりも弱く虫歯になりやすいため、歯ぐきが露出してしまった場合には、フッ素を塗ることで虫歯のリスクを下げることに役立つとされています。